命の重さ。

半月もの間、うちのスタッフが行方不明になっていた。
あちこちと手を尽くして探し回ったんだけど、
全然みつからなくて。
そしたらね、昨日家族から連絡が来て、
見つかったとの事。とある病院の霊安室で。


以前日記でも書いたことのある大好きな大飲みのおじちゃんです。


いつものように残業をし、
いつものように友人と酒を飲み、
いつものようにバスに乗り込んだら、
突然倒れて、病院に運ばれて、
そのまま戻らぬ人になった。


身分証明書を持ち合わせていなかった彼を
病院は外地人だとみなし警察には通報せず、
家族が写真を持って色んな病院を探した結果、
やっと、やっとみつかったそうです。


きっともっと早く見つけて欲しかったんじゃないかと思うと、
この国の制度の欠点ばかりが目に浮かんで悔しかったし、
やっぱり知らせを聞いたときには、
言葉も涙も出ませんでした。


明後日葬儀に参列するんだけど、
中国側の責任者と事務所と生産管理職以上でと決定した後、
工員達が泣きながら行かせて!と言う姿に涙が出ました。
中国は自分と他人を分けて考えます。
特にここ上海では。
だからそんな人の温かみを感じることができて
でもそれは、彼にだからこそ向けられる温かみで、
彼の生前の「人」そのものが見えました。
彼もきっとそんな工場の中を空から見ているんだろうなと。


でもね、見つかってよかった。
ホントはね、10日過ぎたあたりから、
もう戻ってこないんじゃないかと思った。
少しだけ。
だから、本当に見つかってよかった。
式の日には、沢山の人の想いに包まれるんだと思う。